思春期の少年にありがちなことだが、シェンリー高校に入学するころ、アンディは秘かな劣等感に悩むようになっていた。初対面同然の生徒たちと顔を合わせるとき、彼の肌の色は無視できない問題となった。ホームズ小学校からいっしょにシェンリー高校にへ進んだ少年たちは、あいかわらずアンディのことを「スポッティ」と呼んでいた。色素を抜いたような真っ白な肌の頬から額にかけて薄い茶色の部分が広がっていたのだ。それは大きすぎるあざのように見え、実際、そう思われることが多かった。赤ん坊の産毛のようにふわふわした髪の毛も白っぽい金髪だったのでアルビノじみた印象がますます強調された。入学早々、アンディは同じ新入生のエリナー・サイモンと出会った。アンディと違って、エリーは同級生に対してもおどおどしていなかった。このエリーこそ、アンディの独自のカリスマを最初に見抜いた人間だった。
参考文献/「伝記 ウォーホル パーティのあとの孤独」フレッド・ローレンス・ガイルズ著 野中邦子 訳